株式会社quattro|デイサービス然

088-618-3464

学習療法・回想療法 FEATURES

脳科学に基づいた対面ケアで
認知症の重度化予防

学習療法は、東北大学の川島隆太教授(現在は東北大学加齢医学研究所所長)とKUMON、そして福岡県の介護施設による共同研究プロジェクトで実証された理論をもとに確立された認知症予防プログラムのひとつです。

科学的根拠をもとにした認知症重度化予防に取り組むため、デイサービス然では開所当初から学習療法を導入。
2年目には学習療法実践モデル施設に選ばれ、県内外の導入希望施設の見学者も受け入れています(四国で130か所、徳島県内では15か所の事業所が学習療法を導入。2022年2月時点)。

「読み書き・計算・すうじ盤」で
脳を活性化

開始前に脳画像を見ながら学習の根拠と理論をしっかり伝え、「なんでこんな簡単なことせなあかんのじゃ」という理論型の男脳にも働き掛けます。

学習療法では、「読み書き・計算・すうじ盤」の3つのプログラムで脳の血流を活発にします。
なかでも脳の司令塔であり、人の感情や思考をコントロールすると言われている「前頭前野」を活性化することは、脳全体の領域に影響します。
川島隆太教授の研究の結果、「簡単な計算をすらすら解く」「音読する」ときに最も活性化することが分かっています。

利用者様の6割が
学習療法に取り組んでいます

学習療法は、学習者と学習支援 がコミュニケーションをとりながら学習します。学習支援者1名、学習者2名で行います(認知症症状や身体状況により1対1で支援)。

支援者は「さすがですね」「今日もいいお声ですね」と褒めたり、取り組みのスピードや表情の変化を見て、学習者が安心する言葉を掛け続けます。

カレンダーや時計を見て教材に日付や時間を書き込んだり、ストップウォッチを自分で押します。
学習療法のなかには、「作動記憶(ワーキングメモリー)」や「短期記憶」を繰り返し、脳を活性化させる工夫が盛り込まれています。
見当識(日付や時間の認識)の理解状態や取り組み時間を、支援者は毎回記録。認知症症状の 段階を客観的に把握・共有し、日々のケアに役立てています。

話す・笑う・楽しむ
3ステップで対面ケア
話す・笑う・楽しむ3ステップで対面ケア

「今日は私は何番目かな」「誰とペアになってるの?」と学習療法を楽しみにしてくださる様子に、支援者の私たちも脳を元気にしていただいているのかもしれません。

1回の学習時間は20分程度です。なかでも最後のコミュニケーションの時間は重要です。
実は前頭前野は、人とコミュニケーションしているときに最も活性化しています。対面・対話の時間を楽しいものにして、血流を高め、脳を効果的に刺激します。

認知症スケール(FAB/MMSE)の
見える化と共有

学習療法の初めに、認知症スケールを計る「FAB」と「MMSE」という二つの検査を実施し、適正教材を決めています。
FABでは、思考し言葉を導きだしたり、動作を真似たり、ルールを一時的に覚える検査でその方の前頭葉機能を測定します。
MMSEでは、日付や季節、場所がスラスラと言えるか(見当識)、計算がスラスラできるか、一度見たものの記憶、聞いた言葉の復唱、図形の描写などで検査します。

認知症スケールは、二つ以上の検査を併せて受けることで、より客観的で根拠のある結果を導き出すことができます。
01FAB
(Frontal Assessment Battery)
02MMSE
(Mini-Mental State Examination)
6つの項目の検査をすることで前頭葉の機能を測定します。各検査を0~3点で点数化し、合計得点は18点満点です。
  • 類似性(概念化)
  • 語の流暢性(柔軟性)
  • 運動系列(運動プログラミング)
  • 葛藤指示(干渉刺激に対する敏感さ)
  • GO/NO-GO(抑制コントロール)
  • 把握行動(環境に対する被影響性)
認知機能の状態を客観的に評価するテストで、世界中で最も用いられている認知症の検査です。
「時間の見当識、場所の見当識、即時想起、注意と計算能力、遅延再生(短期記憶)、言語的能力、図形的能力(空間認知)」の11の検査で30点満点中27点以上取れれば「問題なし」と評価されます。
認知症スケールは、二つ以上の検査を併せて受けることで、より客観的で根拠のある結果を導き出すことができます。
01FAB
(Frontal Assessment Battery)
6つの項目の検査をすることで前頭葉の機能を測定します。各検査を0~3点で点数化し、合計得点は18点満点です。
  • 類似性(概念化)
  • 語の流暢性(柔軟性)
  • 運動系列(運動プログラミング)
  • 葛藤指示(干渉刺激に対する敏感さ)
  • GO/NO-GO(抑制コントロール)
  • 把握行動(環境に対する被影響性)
02MMSE
(Mini-Mental State Examination)
認知機能の状態を客観的に評価するテストで、世界中で最も用いられている認知症の検査です。
「時間の見当識、場所の見当識、即時想起、注意と計算能力、遅延再生(短期記憶)、言語的能力、図形的能力(空間認知)」の11の検査で30点満点中27点以上取れれば「問題なし」と評価されます。

事例紹介
【実際の学習者のFAB・MMSEの数値と日常生活の変化】

【ケース1】Sさん/
アルツハイマー型認知症/女性/88歳

Sさんは2021年10月に学習療法をスタート。Sさんにとって初めてのデイサービス利用。最初は休みがちで、来所しても不穏な様子でした。しかし数か月後には、通所回数を2回、3回と増やし、いまでは「楽しんで行っています」と送り出す娘様の安心した表情を見ることができるようになっています。SさんにとってのQOL(生活の質)向上はもちろん、日常生活での変化で介護者・ご家族支援にもつながった事例のひとつです。

【日常生活の変化】
(学習を始める前の状態)
  • アルツハイマー型認知症発症後より、感情の起伏が激しくなり急に怒りだし、娘様に対して手あげて叩く、声を荒げる。ものを投げたり叩きつけるなどの行為もある
  • 朝、自宅にお迎えにうかがうと「今日は休ませてもらいます」と断られることも頻繁(週1回利用)
  • ご利用中も「友達と約束があるので帰らせてほしい」と落ち着かない様子
  • 苦手なことはしない(脳トレーニングのパズルなど)
  • いつも不安そうな表情をされる
(学習療法開始以降の状態)
  • 感情のコントロールができるようになり、娘様への暴言・暴力がなくなった
  • デイサービスを休むことがなくなり、利用回数も増加(週3回利用)
  • 学習療法を通して、顔見知りが増え、気の合う方もでき、楽しく過ごされるようになった
  • 苦手なことも自発的に挑戦されるようになった
  • 笑顔が増え表情が明るくなった
【FAB・MMSEの数値変化】
【ケース2】Yさん/
アルツハイマー型認知症/男性/87歳

2016年9月に認知症と診断されたYさん。進行予防のために、2017年2月から週1回の利用をスタートしました。
同時に学習療法も開始しました。学習の場面でもスタッフとコミュニケーションはとりますが、ペアになった人との会話やデイルームで他者との交流はほとんどありませんでした。
現在は週3回の通所日には必ず学習療法に取り組み、自ら積極的に周囲の人と関わりながら過ごしています。

【日常生活の変化】
(学習を始める前の状態)
  • プライドが高く、人と関わるのが苦手
  • 他者との関わりが少なく、一人でパズルに取り組むことが多かった
(学習療法開始以降の状態)
  • 学習療法でもデイルームでも、他の利用者様とも会話をする場面が増えた
  • パズルで悩んでいる他の方がいると、自ら声をかけて一緒に取り組む姿が見られる
  • 自宅で過ごすときは横になっていることが多いが、デイサービス然では、椅子のネジを締めたり、タオルを畳んだり、畑に支柱を立てるなど作業療法にも積極的に取り組む
【FAB・MMSEの数値変化】
学習療法に取り組んでいる方には、半年に一度FABとMMSEの検査を実施し、
認知症症状の把握、変化の確認、ケアマネジャーやご家族との情報共有に活用しています。

学習療法はスタッフのやりがいにも
なっています

コマを並べ終わると、1から順に声を出して数を読み、そして片付けます。「次の人が困っちゃうくらいバラバラに片づけてくださいね」とお願いし、並べたコマをリズミカルに積み上げて終了です。

デイサービス然では、すべてのスタッフが学習療法の目的を理解するための「指定研修」を受けています。
学習療法を通して気づきの力や記録・報告の力が伸び、利用者様とのコミュニケーションやスタッフ間の情報交換が増え、「なんのための支援か」を全員が考える風土が自然と広がっていきます。
学習療法は、利用者様の認知症症状の重度化予防だけでなく、私たちスタッフの成長ややりがいにもつながっています。

TEL.088-618-3464

学習療法は希望された方のみが対象です。教材費として、利用回数に関わらず おひとり月額2,200円いただきます。ご家族やケアマネジャーさんと一緒に無料体験もできます。

「発語」で促す脳の活性化

「今日は○○さんが話しをしたくなる内容にしてみよう」「最近は暖かくなってきたから春らしい話しもいいね」などその日の回想療法リーダーを中心にテーマを決めます。

子どものころの思い出や懐かしい出来事を語ってもらい、脳を活性化させる回想療法。非薬物療法のひとつで、個別回想療法・集団回想療法のふたつの方法があります。
仲間と話題を共有し楽しむと不安や孤独感が和らぎ、自分の話を聞いてもらえているという満足感も得られるので、認知症の方に多いうつ症状の改善・予防にもなります。

回想療法に
全員が参加できる
仕組みづくり

思考する・コミュニケーションをとる・衝動や感情をコントロールする・注意を分散させるなど、認知症症状が進むと難しくなることにも意識して取り組みます。

デイサービス然では、毎日午後2時ごろから集団回想療法を実施しています。
「なんとなく」のおしゃべりではなく、テーマや目的を明確に取り組んでいます。
とはいえ、昔と風景や建物が変わったというお話から「刑務所は昔はあそこちゃうかった」「刑務所に面会に行ったことある」とか、食事の話題から「やっぱり、いのししやな」「ウサギ食べよったわ」など思わぬ展開になることも! 

認知症の方の五感を刺激

集団回想法を適切に実施するためには、知識や技術だけでなく、スタッフの傾聴力やパフォーマンス力も大切です。

集団回想療法では、何気ない日常の出来事や季節の話題から、だれもが話しやすい「子供時代の遊び」や「お弁当の思い出」などへと広げていきます。ときには昔の徳島駅前の写真を見たり、巻きずしや季節野菜を詰めて野原へ出かけた遊山箱を手に取ったり、梅干を実際に漬けてみることもあります。 正面の大きなホワイトボードは、お耳の遠い方や集中しづらい方のために、どんな話しをしているのかがいつでも思い出せるように活用しています。

回想療法は利用者様を知る
絶好のチャンス

スタッフはリーダーとサブに分かれ、リーダーは全体のムードを盛り上げ、サブは声の小さい方、発言の少ない方が輪に入りやすいようフォローしています。

より良いケアにアセスメントは欠かせませんが、認知症の方からケアに必要な情報や環境因子を聞き出すのは簡単ではありません。
しかし回想療法では、ご本人の自発的な言葉から「大切なもの、好きなもの、経験されたこと(そう思い込んでいるものも中にはあるかもしれませんが)」を拾い上げることができます。
私たちスタッフにとって回想療法は、利用者様の人生や考え方を教えていただく機会になっているのです。